眞悧と鷲塚先生と炎の女の子

鷲塚先生が眞悧を思い出す話。

深夜ねれないときに
書いてるので上手く投稿できてるか不安です。

 

鷲塚先生は理由や原因に
筋の通った物理的(?)な

分かりやすい説明が欲しい人、という
設定つきです。

口調や本編の雰囲気を崩したら

すみません。

クオリティ酷いのでお恥ずかしいです。では。下から。

 


私はもうすっかり歳をとったのと

仕事のいそがしさとの両方で思い出せない事柄も増えたのだが…

これは

夢なのだろうか。それとも、

何か、忘れていた記憶なのだろうか。

 

これは、

幼少期の思い出の類なんかじゃなくて、十数年前の話のように思う。

だが、
遠いむかしの記憶のようにも思う。

これは、

夢じゃなく忘れていた記憶だ。
それが、今、急に出た。

 

私の今、見ている夢によると、

私は助手と話していた。

 

 

…××くん、この子ねぇ、あ、これ。

ピンクの髪の小さい女の子なんだけど、
ひどい火傷を負ってね。
でも、理由を聞いても、
なんでもない、とか遊んでた、とか、
あげく、最後は「助けたい友達がいた」と言うらしいんですよ。

火傷をして意味が不明だろう。

何かいじめかとも思ったけどもね、

場所はだだ広い公園で、彼女も周りも、
火が出るものを使った痕跡はないらしいし、普段から、あすこは利用者も

ガラの悪い者はいない。
そこで、

火もつかっていないのに火事が起こるなんて、ましてや、人が炎に包まれるなんて、ありえないだろう!

 

…だけどねぇ、

彼女の説明通り、女の子からとつぜんに
火があがったそうなんだ。
証言まであってねぇ…。

私は、こんな不思議なことは初めてだよ。

悪戯にせよなんにせよ、あれは本当に

危ないじゃないか。

一体、なんのために…

 

 

ー私が熱心に考えていると、

その助手の男(?)は
呆れ気味に返した。

 

 

鷲塚医師はずいぶんと
その話にご興味がお有りなんですねぇ…。なぜです?

 

ん、ああ…
病院って、何かと幽霊だとか、不思議な現象だとかを看護師たちが語るだろう。
でも、私は幽霊とかは信じてなくてね。
何か、もっと幽霊なんてものじゃなくてね、化学で説明のつく理由があるはずだ、と思っているんだよ。

 

 

ーずいぶんと熱弁するなと
我ながら思った。
そして、そう、彼は「男」だ。
私の助手である彼は言う。

 

 

そう、ですね。
彼女、人を救える魔法が
使えたんじゃないですかね。

それで、

えっと、
敵を退治して火傷したとか?

まあ、悪い大人が

絡んでなければ良いですね。
無事でなによりですよ。

 

 

ー会話は続く。
私も彼も忙しいなか
話しているのか、
興味がないのか、
彼は話半分だ。
いやあ…まあ、うーん。
それにしたって、
なにかこう、理由とか…。
原因がないと…。
火だぞ。そりゃあ何かないと…。
理由…原因…友達…救う…火…夜景…

…人…ひかり…

……

「彼」があの組織に入った原因が分からない。理由も分からない。

私には、

誰かを「助ける」とか「救う」だとか
大それた言葉は

怖いことにしか、思えない。

 

彼は優しかった、はずだ。
覚えていないはずだが
思い出した。
そう。優秀だったし、
物腰も柔らかかったんだよ。

それで…その優しさ故に、
闇に足をすくわれたのかもしれない。

そう、人を救うだなんて、難しい話だ。

だからこそ病む医者もいる。

医者の私ですら全ての人を救うことは出来ない。だが、

これは言い訳かもしれないが、

当たり前のことだ。


ただ私たちは外的な要因や心身の健康を考えて患者を救う。手当てをする…。
それも立派な救済だとは思う。

誇りに思っている。

だけど、
救うっていうのは、
救ってもらった側からの
言葉じゃないのかね。
こちらから与える物でも
ないと思うんだよ。
助手くん。

 

でも、なあ、私は、君の、
患者たちの
闇に
気がつかなかった。
それは、私の罪なんだろうか。

君の大罪をもってしても。

ああ、
久しぶりに「君」を思い出したよ。

こんなに理不尽な話があっていいもんかと、高倉さんの子供たちを見てね。

今はその晩だ。あ、

ここは、そうだ。

私の、診察室じゃないか!

ここで私は居眠りをしていたのか?!

いや、まさかなあ、

これは、

夢なのか?

それまで私は、
君をおぼえていなかった。なぜだ。

 

眞悧くん、幽霊って…
幽霊ってなんだ?
君は眞悧くんか?

 

ーなんだか声がまともに出ない。

思考もまとまらない。


あ、

けっきょくは、幽霊の
出現する理由って、
フグなのかい?


ー私の記憶も、夢のなかの
自分を見る私も、
総てどこかに飲み込まれ、
総てがよく分からないまま終わり、

消えた。

 


終わり